スマホの”SIMロック”って何? 解除のメリット,デメリットと背景【初心者向け】

“SIMロック”という言葉を聞いたことがありますか?

格安SIM・格安スマホを検討したことがある人であれば聞いたことがあるでしょう。
ユーザーにとっては百害あって一利なし。
今回はユーザーの選択の自由を狭めているSIMロックというものについて見ていきましょう。
(「SINロックって何?」という声があったので
今回は初心者向けの内容になります)

まずは入門編「SIMロックのSIMって何?」

SIMロックの”SIM(シム)”とはSIMカードの事を挿しています。

SIMカードには固有の番号が割り当てられていて、
スマホにこのSIMカードを挿すことで契約回線を使って通信する事が出来るようになります。

つまりSIMカードが本体で、
スマホは入れ物と言えるかもしれません。

なのでSIMカードがあれば、どのスマホにSIMカードを挿しても基本的には使えます。
(SIMロック無し前提)

ちなみにシム=SIMは(Subscriber Identity Module)の略だそうです。

例を見てみましょう↓

例えばドコモで契約した場合、
ドコモで買ったスマホにドコモのSIMカードが刺さっています。

ドコモのSIMカードには契約によって固有の番号が記録されており、
挿すことでドコモ回線の通信ができるようになっています。

なのでドコモで購入したスマホからSIMカードを抜いて他のスマホにさしても
ドコモ回線で通信することができるのです。
(挿したスマホにSIMロックが掛かっていなければ)

次は少し進んで「SIMロックって何?」

上記の通りSIMカードさえあればどのスマホに挿しても基本的には使えるのですが、
キャリア(ドコモ,au,ソフトバンク)で購入したスマホだけは違います。

キャリアのスマホには各社のSIMロックという縛り設定がされており、
SIMカードを挿しても自分の会社の回線以外は使えないようにスマホに設定されています。

SIMはSIMカードを指しますが、
SIMロックはキャリアっで購入したスマホにかかっている縛り設定を指します。

先程の例の続きです↓
ドコモで購入したスマホにはドコモのSIMロックが掛かっています。

なのでauのSIMカードやソフトバンクのSIMカードなど
ドコモ以外のSIMカードを挿してもロックされて通信できないのです。

まとめると

◆スマホを買ったキャリアとSIMカードの回線のキャリアが同じ=SIMロックが掛かっていても問題なく通信可能

◆スマホを買ったキャリアとSIMカードの回線のキャリアが違う=SIMロックで通信できない

という事になります。

SIMロックが掛かっていると何が困るのか

上記の例のように
わざわざSIMカードを取り出して他のスマホに挿したことがある人は
少ないのではないでしょうか。

SIMロックが掛かっていると何が問題になるかというと
格安SIM・格安スマホに乗り換える時に障害になります。

例えば現在auで契約しており、
auで購入したスマホを使っていたとします。

料金が安くなる事を知り、
auから格安SIMに乗り換える事にしました。

格安SIMは各社ドコモかauかソフトバンクから回線を借りて使っています。
なので格安SIMで契約時に届くSIMカードには上記の3回線での通信が可能なのですが、
先程と同じように

◆スマホを買ったキャリアと格安SIMのの回線のキャリアが同じ=SIMロックが掛かっていても問題なく通信可能

◆スマホを買ったキャリアと格安SIMのの回線のキャリアが違う=SIMロックで通信できない

となります。

例えば現在auを使っている人が、
ピコ太郎さんのCMでお馴染みのワイモバイルに乗り換えようとしました。

ワイモバイルはソフトバンク回線を使っているので
ワイモバイルのSIMカードをauで購入したスマホに挿してもSIMロックで使えないという訳です。

Ymobileワイモバイル

特に格安SIM会社は多くがドコモ回線を利用しているので
ドコモで購入したスマホならば多くの会社でSIMロックを解除せずに利用可能です。

反対にauやソフトバンク回線を使っている格安SIM会社は少ないので
auやソフトバンクで購入したスマホで格安SIMを契約する場合には
格安SIM会社によってはSIMロックで使えない場合があります。

SIMロック解除って何? どうやるの?

キャリアで購入した全てのスマホにはSIMロックが掛かっています。
後述する理由により
2015年5月以降にキャリアで発売されたスマホであれば
キャリアショップに持っていけばSIMロック解除が可能です。

キャリアショップではSIMロック解除に手数料が3,000円掛かりますが、
自分でキャリアのマイページからオンラインで簡単にSIMロック解除が可能です。
自分でマイページからだと費用は掛かりませんのでオススメの方法です。

【初心者向け】au版iPhoneシムロック解除方法 | オンラインIMEIの調べ方
【初心者向け】ソフトバンク版iPhoneシムロック解除方法 | IMEIの調べ方

SIMロックを解除する条件やデメリットは無いの?

条件はキャリアによって詳細が違いますが
主に以下の2点

「2015年5月以降にキャリアで発売されたスマホである事」

「SIM解除したいスマホが購入から半年以上経過している事」

をクリアしていれば可能です。

またSIMロックを解除するデメリットはありません。
SIMロックを外してメリットはあってもデメリットは無いので
格安SIM乗り換えの可能性が少しでもあるならば外してしまうのが吉です。

また中古のスマホであればSIMロックを解除した方が相場が高いです。
スマホ端末を売却する可能性があるならばSIMロックを解除しておいた方が良いでしょう。

そもそもなんでSIMロックは存在するのか

SIMロックが掛かっていない状態のスマホをISMフリースマホと呼びます。
本来スマホは全てSIMフリースマホなのですが、キャリアで購入したスマホだけはSIMロックの掛かっている
SIMロックスマホという事になります。

ではどうしてキャリアは自分のところで売っているスマホにだけ
SIMロックを掛けるのでしょうか。

答えは”キャリアのユーザー争奪戦の為”です。

以前はスマホと言えばドコモかauかソフトバンクの3社がほとんどのシェアを持っており
この3社が激しいユーザー争奪戦を繰り広げていました。

魅力的な特典で自分のユーザーが他社に乗り換える際に
SIMロックが機能して端末を使い回せないので、
乗り換えるたびにユーザーは乗り換え先でスマホを購入するようになっていました。

キャリアにとっては好都合ですが、
完全にユーザーには迷惑なシステムです。

海外ではSIMフリースマホがメジャーですが、
日本ではキャリアユーザーがほとんどなのでSIMロックスマホを使っている人がほとんどです。
なのでSIMロック解除という障害がここまで問題視されているのです。

SIMロックはユーザーの選択を制限しているので総務省が規制

2015年には総務省がこの悪徳商法にメスを入れ、
キャリアにはSIMロックの解除を規制しました。

これによって2015年5月以降にキャリアで発売されたスマホには
SIMロック解除機能が搭載されており、
ユーザーの意向があればキャリア側でSIMロックを解除するようになっています。

しかし2015年4月以前にキャリアで発売されたスマホは以前SIMロックが掛かっており
現在使っている人はSIMロック解除が困難な状態です。

長くなりましたがSIMカードやSIMロックとその背景についてざっくり理解できたかと思います。

今後は更に格安SIMを選択するユーザーが増えるでしょうし、
SIMロックという負のシステムにも終止符が打たれる事を願います。

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