2019年10月より総務省の『電気事業法』の改正で、2万円以上の端末割引が出来なくなります。
特に新型iPhone11シリーズなどの高額な機種を購入する場合、端末割引なしだと10万円近い負担になるので躊躇してしまいそうですよね。
そんな懸念を払拭するように、auは『アップグレードプログラムDX』という端末割引に代わるプログラムを2019年10月1日より打ち出します。
auでiPhone11シリーズを購入・機種変更するなら利用する人も多いと思います。
一見「半額でiPhone11買えるなんてナイス!」と思うような名前ですが、実はかなり条件がきつく評判も個人的にも微妙なプログラムだと思います。
今回は一見半額で使えてハッピーそうなauの「アップグレードプログラムDX」の注意点を解説していきたいと思います。
また、実際にauでiPhone11を購入する場合に「アップグレードプログラムDX」で購入すると料金面がどうなるのかもシミュレーションしてみました。
auは48回分割の「アップグレードプログラムDX」が登場!注意点多くお勧めできない
「アップグレードプラグラムDX」は2019年10月31日で新規受付を終了し、2019年11月以降は「アップグレードプログラムNX」に変更されています。
端末サポートとしての内容はほぼ同じですが、4年縛りから3年縛りに変更&プログラム料がかからないなど改善されています(詳細は以下のページで解説しています↓)
2019年9月には待望のiPhone11シリーズが発売されましたが、相変わらずの端末価格の高さですね。自分も奮発してiPhone11ProをAppleで購入しましたが、軽く12万円ふっとびました。
【auのiPhone11シリーズの端末価格一覧】
auのiPhone11価格表 | iPhone11 | iPhone11Pro | iPhone11ProMax |
64GB | 88,992円 | 124,992円 | 156,096円 |
128GB | 94,608円 | 無し | 無し |
256GB | 107,424円 | 141,984円 | 156,096円 |
512GB | 無し | 167,472円 | 181,584円 |
そんな懸念を払拭するためにもiPhone11発売直前の2019年10月1日より、auは『アップグレードプログラムDX』というプログラムをスタート。
参考:スマホの機種代金が最大半額になる「アップグレードプログラムDX」提供開始
この『アップグレードプログラムDX』はiPhone11や11Pro/11ProMaxを含む対象機種を購入時に、48回の分割払いで購入し、25カ月目に買い替えると、残りの分割ローン分が免除になるというプログラムです。(以下auの公式ページの記載になります↓)
本プログラムは、48回払いでの対象機種の購入を条件に、25カ月目以降 (該当項目へジャンプします注2) の買い替え時に機種代金の未払い分のお支払いが不要となるプログラムです。auの回線契約有無にかかわらず加入が可能です。
つまりau側の謳い文句にもなっていますが、端末割引に代わりに加入する事で「最大で端末代を半額しか支払わなくていい」というメリットがあるのですが、実は罠と言ってもいいレベルの注意点があります。
10月からの法改正や、個人の月スマホ代を上げすぎないなど様々な狙いがあって登場した「アップグレードプログラムDX」ですが、正直なところかなりややこしく縛りが厳しすぎて全くお勧めできません。
ちなみに対象機種を購入時に48回分割で購入する場合のみ、購入時に申し込む事で適用されるプログラムなので、強制加入ではありません。(しかし「半額」という名前によって多くの人が加入してしまうでしょう)
ちなみにソフトバンクもほとんど同じプログラム「半額サポート+」を同じく2019年9月よりスタートしていますね↓
という事で、簡単にこの「アップグレードプログラムDX」の注意点を説明していきます↓
「アップグレードプログラムDX」の注意点➀:iPhoneは返却必須!「購入」ではなく「レンタル」
まずこのプログラムを利用すると「端末を返却する必要がある」という点です。
つまり48回分割で購入し、最短24ヶ月(2年)後に返却した場合、確かに残り24ヶ月分の分割ローン分は免除となるので、半額分支払わなくて済みます。
しかしそれは支払金額だけを考えた場合です。
通常は一括でも分割でも全額を支払った場合には、最終的には購入したiPhone11は手元に残りますが、この「アップグレードプログラムDX」を使った場合には返却するのでiPhone11は手元に残りません。
例えばiPhone11Proモデルなら10万円以上の端末の資産価値があるため、時間と共に価値が減少するとしても手元に残るか残らないかは雲泥の差がありますよね。(売却すればお金になりますし、おさがりにも使えますし)
つまり”最大半額“にはなりますが、これはもう”2年間間レンタルしているのと同じ“なんですよね。
「アップグレードプログラムDX」の注意点➁:返却時に査定基準を満たさないと2万円のペナルティ
ここまでで「別に不要になったら返却するんだからレンタルでもよくない?」という声もあると思います。
しかし、返却するという事は壊した場合にはペナルティもあるという事です。
auの「アップグレードプログラムDX」の公式ページは2019年10月まで公開されていないので詳細は分かりませんが、以前の「アップグレードプログラムEX」と同様のペナルティが適用される可能性が高いです↓
【アップグレードプログラムEXの故障時のペナルティ】
◎以下の場合(一例)、特典利用の際に、故障時利用料のお支払いが必要です。
お支払いが必要な例 右記サポートへの加入なし iOS向け「AppleCare+ & au端末サポート」、「故障紛失サポート with AppleCare Services」にご加入の場合 Android™向け「故障紛失サポート(旧 安心ケータイサポート+LTE)」にご加入の場合 画面割れ 20,000円(不課税) 3,672円(不課税) 2,000円(不課税) その他
・電源が入らない、
・充電ができない、
・電話機本体や液晶に破損や割れがある、
・メーカ指定箇所の水濡れシールに水濡れ反応がある など12,744円(不課税)
(2018年9月14日以降)
上記の記載のように「返却時に壊れている・不良があるなど査定基準を満たさない場合、ペナルティで2万円が請求される」というのです。
例えばiPhoneを機種変更する動機として多いのが「iPhoneが壊れたから機種変更する」というパターンがあると思いますが、そもそもレンタル扱いのようなものなのでこれも使えません。
半額にするためには返却時にはauの検品基準を見たす状態でないといけない訳ですからね。
ダメなら2万円払わないといけないという、なんかもう自分のiPhoneとは思えないので、慎重に使わないといけないという謎のプレッシャーがかかります。
「アップグレードプログラムDX」の注意点➃:毎月プログラム料という費用が掛かる
最後に「アップグレードプログラムDX」に加入すると毎月「プログラム料」がかかる点にも注意が必要です。
ご利用料金
月額390円 (不課税) x 24回
返却まで毎月書掛かるので最短24ヶ月~最長で48ヶ月間分ですね。
月額390円(不課税)×最短24カ月なので、最小で9,360円が「アップグレードプログラムDX」を利用するだけでかかります。
「最大半額にするために毎月料金を支払う」というところに違和感を感じてしまうのは自分だけでしょうか。
au「アップグレードプログラムDX」に申し込んでiPhone11を購入した場合の月額料金例
という事で、「アップグレードプログラムDX」(9月末までのEXでも料金面は同じ)を使って対象機種となっているiPhone11シリーズを48回分割で購入した際の月額料金をシミュレーションしてみました↓
[su_tabs style=”default” active=”1″ vertical=”no” mobile=”stack” class=””] [su_tab title=”iPhone11の場合” disabled=”no” anchor=”” url=”” target=”blank” class=””] 【iPhone11(64GB)を48分割で購入時の月額料金の内訳】auフラットプラン7プラス(7GB) | 5,480円/月 |
無料通話オプション無し | 0 |
iPhone11(64GB/48回分割購入時) | 1,717円/月×48ヶ月 |
アップグレードプログラムDX | 390円/月×48ヶ月 |
(月額料金) | 7,586円/月 |
auフラットプラン7プラス(7GB) | 5,480円/月 |
無料通話オプション無し | 0 |
iPhone11Pro(64GB/48回分割購入時) | 2,411円/月×48ヶ月 |
アップグレードプログラムDX | 390円/月×48ヶ月 |
(月額料金) | 8,281円/月 |
auフラットプラン7プラス(7GB) | 5,480円/月 |
無料通話オプション無し | 0 |
iPhone11Pro(64GB/48回分割購入時) | 3,011円/月×48ヶ月 |
アップグレードプログラムDX | 390円/月×48ヶ月 |
(月額料金) | 9,901円/月 |
上記のようにiPhone11シリーズを48回分割して購入しても、月額料金は7千~1万円くらいは掛かってしまう事が分かりますね。
ちなみに計算時のプランは全て月7GBとSNS使い放題の「auフラットプラン7プラス」としました。
auの従量制プラン「新auピタットプラン」で月1GB未満とすれば、au公式の言っているような安い月額料金になりますが、iPhone11を購入する層が月1GB未満しか使わない事はほとんどないので、現実的なラインで計算しています。
auを含む大手3キャリアで新型iPhoneを購入するので、月額料金が7千円以上になるのは当たり前ですね。
【まとめ】auの「アップグレードプログラムDX」48回分割より普通に24回分割か一括の方が…
と言う事で法改正を潜り抜け、より縛りがパワーアップしたauの「アップグレードプログラムDX」に加入する際の注意点を解説しましたが、個人的には加入しない方がいいと思います。
最大半額になる(残り半分のローンを免除できる)
免除の代わりに購入したはずの端末は返却する
返却時に壊れていたらペナルティがある
毎月プログラム料がかかる
そもそも2年間以上のレンタル契約のようなものですね。
- 「半額サポート+」加入なしで一括か分割で購入する
- AppleのSIMフリー版を買ってランニングコストの安い格安SIMでSIMカードだけ契約して使う
- そもそも身の丈にあった機種を買う
この辺の選択が無難かなーと思います。(自分は)
そもそもiPhoneが当たり前になりすぎて、感覚が麻痺しているかもしれませんが、世界的にはiPhoneは高級スマホですからね。
「経済的に余裕があって別に10万円くらいいいよ」
「Appleブランドが大好き!最新iPhone命!常に最新を持ち歩かなきゃ気が済まない」
という人だけでいいじゃないかなぁ。なんて思いますね。