最近では2年縛りだけじゃなく”4年縛り”なんてものも登場しましたね。
4年縛り!?
2年縛りでも問題視されているのに、更に面倒なのがあるんですね。
2019年10月の電気事業法の改正で大分マシになりましたが、auの旧『アップグレードプログラム』やソフトバンクの現行『トクするサポート』って名前の端末サポートプログラムが4年縛りになっています。
端末代を4年分割(48回払い)にするので”4年縛り”なんて呼ばれているんですが、それ以外にも機種変更を強制する条件などもあるので注意が必要です。(現在は完全撤廃)
4年縛りは安くなる?半額サポート&アップグレードプログラムとは?
大手3キャリアの中でもauとソフトバンクが2017年からスタートした『アップグレードプログラムEX』『半額サポート for iPhone』は”4年縛り“と呼ばれており、今までの料金プランの”2年契約”とは別に登場しました。(現在は料金プランの2年縛りはほぼ撤廃)
後述するように、2022年現在は「4年縛り問題視⇒総務省の指導で2019年10月に電気事業法の改正」によって大分マシになりました。
とりあえず3キャリアの新旧4年縛りプログラムの一覧表
3キャリアの事業法改正前後の4年縛り(ドコモは3年縛り)の端末割引プログラムを全部まとめると、こんな感じになります↓
【大手3社の4年縛り端末サポートプログラムまとめ】
キャリア | 法改正前 | 変更後=現在 |
SoftBank | 「半額サポート」 (2019.9末終了) |
「新トクするサポート(公式ページ)」 (2021.9.24~) |
➀ 分割と免除:48回分割購入&25回目以降返却で残債免除 (最大12ヶ月分が免除) |
⇒ 48回分割購入&1回目以降返却で残債免除 (最大24ヶ月分まで免除) |
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➁ 強制機種変の条件:次回の対象機種への機種変する事がマスト | ⇒ 次端末購入の縛りは現在撤廃 | |
➂ プログラム料金:月額390円(不課税) | ⇒ プログラム料金は無料 | |
au | 「アップグレードプログラムEX」 (2019.9末終了) |
「スマホトクするプログラム(公式ページ)」 (2021.9.17~) |
➀ 分割と免除:48回分割購入&25回目以降返却で残債免除 (最大12ヶ月分が免除) |
⇒ 48回分割購入&13回目以降返却で残債免除 (最大24ヶ月分まで免除) |
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➁ 強制機種変の条件:次回の対象機種への機種変する事がマスト | ⇒ 次端末購入の縛りは現在撤廃 | |
➂ プログラム料金:月額390円(不課税) | ⇒ プログラム料金は無料 | |
ドコモ | 「いつでもカエドキプログラム(公式ページ)」 (2021.9.17~) |
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➀ 36回分割購入&25回目以降返却で残債免除 (最大12ヶ月分が免除) |
⇒ 48回分割購入&25回目以降返却で残債免除 (最大24ヶ月分まで免除) |
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➁ 条件:無し | ⇒ 次端末購入の縛りは現在撤廃 | |
➂ プログラム料金:無料 | ⇒ プログラム料金は無料 | |
楽天モバイル | 「アップグレードプログラム(公式ページ)」 | |
– | ⇒ 48回分割購入&25回目以降返却で残債免除 (最大24ヶ月分まで免除) |
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– | ⇒ 次端末購入の縛りは現在撤廃 | |
– | ⇒ プログラム料金は無料 |
現在の4キャリアの端末返却割引プログラム名と、条件や料金、そして2019年10月の電気事業法改正リニューアル前後のプログラム内容を1つの表にまとめました。
参考:キャリアiPhone端末サポート比較!ドコモ『いつでもカエドキ』au『スマホトクする』
48回分割購入+返却で残債免除は3キャリアの「端末割引」で共通
3キャリア&新旧の端末サポートプログラムに共通しているのが、「分割購入して途中で返却すると、残りの端末ローンが免除される」という点で、実質iPhoneをレンタルしているような状態となります。
以下はドコモの「スマホお返しプログラム」の例ですが、36回分割で購入してこの端末サポートプログラムに加入する事で、25か月目以降に分割購入したスマホを返却すると、残りの端末ローンが0になります↓
返却する時期によって残債の免除額が変わりますが、条件の「25か月目以降」で最短の25か月目に返却すれば、25回目~36回目の12回分が免除になるので、端末代の3分の1を払わずに済むという訳です。
10万円超の新型iPhoneが発売されたのが4年縛り登場の背景
これらの36回分割や48回分割が登場したのは2018年秋なのですが、その時期は新型iPhoneX、iPhone8が発売されたタイミングで、端末代が過去最高の10万円オーバーとなり、「24回分割でも月額料金が1万円を超えてしまう」という事で4年間の分割プランが登場しました。
新型iPhoneを月額料金が上がらないように見せながら機種変更してもらうために、分割数を増やしたんですね。それだけなら大した縛りではなく、普通の長期の分割購入だったのですが…
ソフトバンクとauの旧プログラム「半額サポート」「アップグレードプログラムEX」の4年縛り条件がきつかった
2019年9月の法改正前まで実施されていたソフトバンクとauの旧プログラム「半額サポート」と「アップグレードプログラムEX」は、中でもエグい4年縛りプログラムとして知られています。
しかしこの2つのプログラムは単純に24回⇒48回分割という訳ではなく、利用条件に「➁ 強制機種変の条件」があり、返却時に次の対象機種への機種変更が残債免除の条件だったので、”かなり強烈な縛り”でした。
ちなみに表にもある通り、2019年10月の法改正以降、auはこの「強制機種変更」を撤廃しましたが、ソフトバンクは未だに48回分割+強制機種変更が残債免除の条件として残っています。
優等生ドコモは改正前から条件緩めで、3キャリア中で最も良心的
表の一番下のドコモは、そもそも電気事業法改正前から「36回分割」のみで、強制機種変更などの縛りのきつい条件はありませんでした。
なので事業法改正でプログラムを改正する必要もないくらいクリーンだったので、「スマホお返しプログラム」として継続しています。(微妙に条件が変わりましたが)
この辺を見ると3キャリアでドコモが最も良心的だと感じますね。
4年縛りはiPhoneの端末価格の異常な値上がりが理由
今までの2年縛りとは異なり、4年縛りはプランの契約期間ではなく端末代の分割期間が48ヶ月に分割されています↓
- 2年縛り⇒契約プランの縛り
- 4年縛り⇒スマホの端末代金の縛り
なぜ端末代を4年縛りにするかというと、国内で異常な人気のあるiPhoneの本体価格がここ数年で急激に値上がりしているのが理由です。
2018年には3種類のiPhoneがリリースとなり、松竹梅の真ん中の「iPhoneXS」でもApple定価112,800円と非常に高額です。
大手キャリアでも今まで通りの24回(2年)分割で支払っても、1ヶ月当たりの料金が高くなり格安SIMの料金に対抗できなくなった為です。
なので倍の48回分割にする事で1ヶ月当たりの端末代の返済額が少なく済み、価格表示で安く優位に見せることができます。
一方でiPhoneのデバイスとしての寿命は3~4年と言われており、故障なども含めると端末代のローンを返済し終わる前にiPhoneが使えなくなって次のスマホへ機種変更している可能性の方が高いでしょう。
次のスマホも分割支払を選択したならば、2台分のローンを同時返済する事になるかもしれません。
4年縛りのメリット?2年経過後は対象機種へ機種変更すれば残ローンが免除になる
auの「アップグレードプログラムEX」とソフトバンクの「半額サポートfor iPhone」最大のメリットとして、「2年経過後(3年目以降)であれば、対象機種へ機種変更する事で残ローンを免除する」というシステムになっています。
ここも分かりずらいシステムなのですが、48回分割で購入して25ヶ月目以降に機種変更する事で、残ローンが無くなるため実質24ヶ月分割で購入できるような状態になります。
つまり「2年後に対象機種への機種変更を約束すれば、iPhoneが半額で購入できる」というかなり太っ腹なプログラムになっているように思えます。
auとソフトバンクの4年縛りの3つの注意点!
しかしそんな都合のいいには当然裏があります。(大手3キャリアの場合”裏”というよりは”但し書き”ですが)
auとソフトバンクの4年縛りプログラムの詳細の下の細かい文字をよく確認してみると以下の問題がある事が分かります。
4年縛りのデメリット➀:機種変更時には購入した端末を返却が必須=レンタル状態
そもそも25ヶ月目以降に機種変更して残ローンを免除するためには、機種変更時に今まで使っていた端末を返却する必要があります。
分割購入したはずなのに”返却”です。返却という表現に違和感を感じます。
つまり4年縛りはレンタルしている状態と同じですね。なので機種変更時に高額なiPhoneは手元に残らず回収されます。
更に…
4年縛りのデメリット➁:回収時に壊れているとペナルティで2万円掛かる
更に返却時に回収端末の査定が行われ、壊れている場合にはペナルティとして2万円+消費税のペナルティが掛かります。
回収した機種が査定条件を満たさなかった場合、20,000円(不課税)のお支払いが必要です。割賦債務が完済済みである場合及び回収機種が査定条件を満たしていないときにお客さまの割賦残債務が20,000円以下の場合は、本特典は利用できません。
あんしん保証パック with AppleCare Services加入時は2,000円となります。
一応「あんしん保証パックオプション」に加入していれば、2万円のペナルティが2千円で済むシステムになっています。
しかしこの「あんしん保証パック」オプション自体が月額500円もかかるため、最短で機種変更しても24ヶ月で12,000円は支払っている状態なので意味がありません。
こんな状態でも2万円のペナルティが掛かる
ちなみに、具体的にどんな状態がNGなのかというと
- 電源が入らない
- 充電できない
- 電話機本体や液晶に破損や割れがある
- メーカ指定箇所の水濡れシールに水濡れ反応がある
- 暗証番号ロック解除とオールリセットが実施されていない
- 製造番号が確認できない、改造などメーカの保証外となるような場合
と、バキバキに壊れていなくても2年間使っていれば発生しそうなトラブルでも2万円が請求されます。また下の2つの場合はペナルティどころか残ローン免除自体が利用できなくなります。
4年縛りのデメリット➂:2年毎の対象機種への機種変更が義務となり無限ループする
更にauとソフトバンクの4年縛りプログラムの但し書きには
機種変更後も「半額サポート for iPhone」、「半額サポート for Android」、「機種変更先取りプログラム」のいずれかに加入すること
機種変更後も「アップグレードプログラムEX/EX(a)」に再加入
と、機種変更後も再度同じプログラムへ加入する事が特典の適用条件に記載されている事が分かります。
これってつまり「残ローンを免除したい!次もこのプログラムに加入するから!」を無限に繰り返す必要があるという事です。
他にもauの場合はプログラム料が毎月掛かったり、端末割引が効かなかったりと色々とデメリットはあるようですが、主にこの3点は4年縛りを考える上で考慮必須なポイントだと思います。
auとソフトバンクの各プランの詳細は以下のページで解説しています↓
【まとめ】2年毎に高額スマホへの機種変更を約束して、半額でレンタルしている状態
ここまでのauとソフトバンクの4年縛りプログラムを見てもかなり条件が複雑になっており、パッと見で良いのか悪いのかが分かりにくくなって(して)います。
各社但し書きも分かりにくく、auショップやソフトバンクショップの店頭でここまで細かく説明し、ユーザーの理解を得てから契約しているのかが本当に疑問なほど複雑です。
しかしここまでauとソフトバンクの4年縛りの適用条件をまとめると、
- “購入”ではなく返却必須な”レンタル”に近い状態である事
- 返却時に査定があり、状態が悪いとペナルティ2万円が掛かる事
- 残ローン免除の為には再度4年縛りに加入必須なので、2年毎に高額スマホへ機種変更が必須な事
と2年縛りよりも面倒な縛りになっているのが分かります。
総じて表現するならば、
4年縛りは「2年毎の高額スマホへの機種変更を約束する事で、半額でレンタルできるプログラム」という事になります。
最新iPhoneなどが半額!!
の裏にはここまで厳しい縛りがあったんですね。
契約者でちゃんと内容を理解している人って何割いるんでしょうか。
本来iPhoneは高級ブランド品=経済的に余裕のある層のもの
そもそも海外では高級ブランドという認識のiPhoneを、日本国内ではみんなが当たり前に使っている状況に違和感があるのは自分だけじゃないはず。
個人的にはスマホの進歩を見るのは好きですが、過剰なスペックのスマホを2年に一度10万円以上支払ってまで使いたいとは思いません。
月額が高いから24回ローンで高いから48回ローンを組んでまで買うのは分不相応な気がしませんか?(Appleが好きな人なら別ですが)
どうせ殆どの人が、LINEとかウェブ閲覧動画視聴使カメラ撮影程度なので、型落ち一括0円の旧モデルのiPhoneで充分なんですよね。(外見もケースで見えないし)
また新型iPhone発売以降は旧モデルのiPhoneの本体代金が値下げになったり、割引キャンペーンが行われたりと実は前モデルのiPhoneの方が狙い目だったりします。